有限会社 レンテック
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NM-1
Neutral Maker for Electric Power Steering
補足


補足

  従来の電動パワーステアリング装置(EPS)では感じることができない
オンセンタ−フィール (直進走行感)について

1.オンセンタ−フィール(直進走行感)
2.油圧パワーステアリング(HPS)
3.電動パワーステアリング(EPS)




1.オンセンタ−フィール(直進走行感) ( On-center Feel )

 まず、オンセンタ−領域とは、車両が旋回する時に、ほぼ直線と感じられるほど旋回半径が大きくて、
ヨーレートが 1 [deg/s]以下になる操舵角が微小な範囲であり、この微小領域の操舵フィーリングを
オンセンタ−フィールと呼びます。

 そして、良好なオンセンタ−フィールとは、車両が常に直進しようとする性質を持っていて、
車両が直進していることが操舵力から認識できる、 次の2つの特性を持つ操舵フィールです。

(1)旋回中にステアリングホイールから手を離すと、
   セルフアライニングトルク(SAT)によって、車両自ら、ほぼ直進する位置まで戻る。

(2)直進時にステアリングホイールに左右いずれかの方向に操舵力を加えようとすると、
   ステアリングホイールから車両が直進する位置に戻ろうとする手応えが感じられる。



 オンセンタ−フィールは、以上のようなものですが、旋回している時にステアリングホイールから手を離した
ときに、 セルフアライニングトルク(SAT)によって、操舵機構がどの程度直進位置近くまで戻るかを知る
だけでも、その良否の程度が判断できます。

 ( ↑ 画像クリックで拡大します。)

 左図は、ステアリングホイールを操舵するときの
 操舵角SAに対する操舵トルクTS及びヨーレート
 YRの一般的な変化の様子です。

 赤矢印は切込方向、緑矢印は戻し方向です。

 オンセンタ−は、 ヨーレートYR(横軸)が
  -1 ≦ YR ≦ +1 [deg/s]の範囲です。
 その時の操舵角SAは、車速によって変化します。
(例)
 車速が秒速10m/sec(時速36km/h)の場合に、
 ヨーレートが 1 [deg/s]以下になるのは
 約573m (≒ ( 10 m/deg x 360 deg ) / 2π) より大きい
 半径のカーブを旋回するときです。

 図中の範囲Bは、主にEPSと操舵機構の摩擦力によるもので、この値を小さくすることによって、
操舵機構の動きが滑らかになると共に、範囲Aも小さくなって、旋回からの直進戻りが良好になります。

弊社の「NM−1」は、EPSの摩擦による範囲Bを激減させることによって、範囲Aを限りなく小さくするもの
です。



  


2.油圧パワーステアリング(HPS)

 一般的に油圧パワーステアリングは、 操舵機構の動きが滑らかで、良好なオンセンタ−フィールだと
言われています。
 その理由は、 ステアリングホイールからの操舵力が無く、トーションバーが捩れていないときは、
油圧シリンダ内のピストンの両側のR室とL室はコントロールバルブ内で油路が通じているので、
ピニオンの回転速度が遅ければ移動する油の抵抗も小さいので、ピストンの動きはピニオンにとっては
大きな負荷にはなりません。 あたかも油圧アシスト機構を持たない操舵機構と同じ状態になっている
からです。

(注)
 このことは、ジャッキやリフトで油圧パワーステアリング車の両前輪を地面から離す状態にすると、
 エンジンが動いている状態でも、電動パワーステアリング車よりも小さい力で、前輪を手で動かす
 ことができることにより知ることができます。

左図は、油圧パワーステアリング装置
(HPS)の基本構造図です。

操舵力が無く、トーションバーが捩れて
いないときは、 ピストンは左右どちらの
方向にも 自由に動けるので、
小さなセルフアライニングトルク
(SAT)でも操舵機構が動きます。






 下図はコントロールバルブの切換機能の説明図です。
トーションバーが捻れると、ピニオン側に取り付けられたスリーブとステアリングホイール側に取り付けられた
ローターの回転角度位置の関係が変化し、操舵アシストの状態を切り換えます。
ステアリングホイールを時計方向
CWに操舵すると、
油圧ポンプからの油圧はR室に
加わり、車両が右旋回する方向に
操舵アシストします。

ステアリングホイールをどちら方向
にも操舵しないなど、
トーションバーの捩れが小さくなると
R室とL室は通じた状態になり、
どちらにも油圧は等しく加わるため、
ピストンは油圧の高低に関わらず
左右どちらの方向にも自由に動ける
ようになります。

ステアリングホイールを反時計方向
C
CWに操舵すると、
油圧ポンプからの油圧がL室に
加わり、車両が左旋回する方向に
操舵アシストします。





3.電動パワーステアリング(EPS)

 電動パワーステアリングの操舵フィーリングは、
車両によってそれぞれ異なっており、個性的ですが、
良好なオンセンタ−フィールのものは無いと考えます。

 その理由は、良好なオンセンタ−フィールは、前輪(転舵輪)によるセルフアライニングトルクによって
操舵機構を直進方向にする動きと、ステアリングホイールで感じるその手応えなのですが、
従来の電動パワーステアリングの
操舵アシスト機構の内部には、大きな摩擦力が生じる摺動部があって、
その摩擦力が、操舵機構の動きを止めるように作用して、オンセンタ−フィールを悪化させますが、
各種センサーや高度な理論でアシストモータの制御を工夫しても、直進時には操舵アシストはしませんので
アシストモータは停止しています。そのため、停止しているアシストモータを使って、 この摩擦力による
影響を無くすことは不可能だからです。

 そして、パワーステアリング装置の無い重ステの車両や油圧パワーステアリング装置の車両のように、
自ら直進しようとする性質をもつ車両を、ステアリングインフォメーションを感じながら、道路に沿うように
ゆっくり微修正しながら走行するときの操舵フィー リングと 、
電動パワーステアリング装置の車両のように、ほぼ直進するときには、どの舵角でも停止しする性質の車両を、
ステアリングインフォメーションが感じられず、目視だけで、道路に沿うように、常に忙しく、左右に微修正
しながら操舵するときの操舵フィーリングとは、
全く異なる操舵フィーリングです。

左図は、電動パワーステアリング装置
(EPS)の基本構造図です。


操舵アシスト機構内の摩擦による
ステアリング軸を止めようとする
EPS摩擦トルクは大きいので、
ほぼ直進するときの
前輪からの小さなSATでは、
ステアリング軸は動きません。