1、各部の名称と機能
2、ステッパーモーター最大電流設定
3、マイクロステップ設定
4、ステッパーモーター接続
5、入力回路
6、出力回路
7、5V電源回路
8、Grbl Configuration 設定
(1) $4 : Step enable invert
(2) $0 : Step pulse width
9、参考資料
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1、各部の名称と機能
(上面)
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@E-STOP(非常停止ボタン)
上から押さえることにより、全ての電源を切断します。
非常時だけでなく、電源のON/OFFを行います。
上:ON
下:OFF
赤いボタンを時計方向に回すことによって
ONの状態になります。
尚、Arduino NANOの電源はPC側から供給されて
いますので、GC-1の電源をOFFにしても、Arduino
NANOの電源は影響を受けませんが、
電源のON時とOFF時に 5V電源電圧が変動し、
Arduino NANOのRESET端子に短時間ですが電圧が
加わり、Arduino NANOはリセットされます。
そのため、電源をONにした際には、PCと加工機との
座標値に差がありますので、その都度、原点調整が
必要です
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(前面)
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APOWER ランプ
E-STOPのスイッチがONになり、
内部の24Vと5Vの電源が正常の場合に点灯します。
BFAULT X, Y, Z ランプ
各軸のステッパーモータードライバーが異常を検出した
時に点灯します
CHOLD ボタン
実行中の動作を停止します
DRESUME ボタン
停止中の動作を再開します。
EABORT ボタン
現在実行中の動作とPCからの送信予定も含めて
全て中断します。
尚、動作中に、いきなり、このボタンを押すと、
動作の停止しと共に、PC側にAlarm表示がされて
何も操作できなくなります。
この時は、$Xコマンドを入力することにより、
Alarm表示が消えて、次の操作が可能な状態になり、
PCと加工機との座標値にも差は生じません。
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(後面)
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FUSB コネクタ
GC-1をPCと接続します。
コネクタはUSBコ(ミニB・メス)です。
接続ケーブルは容易に外れないように、
下図のように通してください。
GLIMIT-X,Y,Z
コネクタ
X、Y、Z軸のリミットセンサーを接続します。
コネクタはVH 3Pポストです。
HPROBE コネクタ
Z軸の位置設定のためのZ軸プローブを接続します。
コネクタはVH 2Pポストです。
ICOOLANT コネクタ
クーラント液またはスプレイを制御します。
オープンコレクタ出力です。
コネクタはVH 4Pポストです。
JSPINDLE コネクタ
スピンドルモーターまたはレーザー光源の
PWM制御信号を接続します。
オープンコレクタ出力です。
コネクタはVH 4Pポストです。
KSTEPPER X, Y, Z コネクタ
バイポーラ・ステッピングモーターを接続します。
コネクタはVH 4Pポストです。
LFAN
内部冷却用ファンの外気吸込口です。
塞がないようにしてください。
MAC OUT コネクタ
AC INの入力がE-STOPスイッチを通って出力されます。
スピンドルやレーザーの電源はここを利用してください。
NAC IN コネクタ
AC 85 〜 265V ( 50 / 60 Hz) の電源を接続します。
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2,ステッパーモーター最大電流設定
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下記の 2.ステッパーモーター最大電流設定と
3. マイクロステップ設定は、左図のように、
GC-1の左右のカバー固定ネジ4本を外して、
カバーを開いて行います。
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この最大電流設定は、ステッパーモーターを
接続せずに、電源を入れた状態で行います。
GC-1のE-STOPをONにし、ドライバー基板上の黄色の
電源LEDが点灯状態にしてから、
Pololu 8825の左図@の可変抵抗器を回して
使用するステッパーモーターに流す最大電流 Imaxを
設定します。
Plololu 8825の回路のR2,R3は0.10Ωなので、
最大電流を設定する電圧Vrefは下記の値になります。
Vref = Imax x 0.5
この電圧の測定場所は左図@またはAですが、
A の部分をテスタで測るのは、狭いので作業性が悪く、
テストリードの先端が他の部分に触れてトラブルを起こす
可能性があります。
そこで、@の可変抵抗器の回転部で電圧を確認します。
尚、ヒートシンクや冷却ファンを追加しない場合の
最大電流Imaxは1.5A/相なので、Vrefは0.75V以下に
して下さい。
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・ステッパーモーター最大電流調整作業方法
作業方法は、下記のYouTube の動画を参考にして下さい。
Setting
the Current Limit on Pololu Stepper Motor Driver Carriers
実際に、この動画のように作業をしてみると、ドライバーとの接触が不安定なので、調整が困難のようです。
そこで、テスターのマイナス側だけ、動画のように、片端がミノ虫クリップで他端がICクリップ、
または両端がミノ虫クリップのケーブルを 1本用意して、GB-N基板のテストポイント(GND)に接続しておいて、
片手でテスターのプラス側のテストリードを@の可変抵抗器の上の回転部分に接触させた状態を保って、
もう一方の手でドライバーを回して調整する方法が安定して楽に作業できます。
・使用するステッパーモーターの巻線抵抗値について
DRV8825は電流駆動ですので、電源電圧と巻線抵抗値に関わらず、常に設定した最大電流に応じた電流値に
なるように動作しますが、電源電圧と巻線抵抗値で決まる導通可能最大電流値を超えることはできません。
そのため 、この導通可能最大電流値を超える設定ではマイクロステップが正常に機能しません。
また、巻線抵抗値は使用中の温度上昇によって大きくなりますので、その分、導通可能最大電流値も小さくなります。
そこで、使用中の発熱を小さくなるようにし、また、電流の立ち上がりを速くして高速ステップも可能に
なるように、使用するステッパーモーターは巻線抵抗値が小さいものを使ってください。
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3、マイクロステップ設定
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左図のピンヘッダーM2,M1,M0にジャンパーピンを
挿す組み合わせで、ステップモードを変更します。
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0:ジャンパーピン無し 1:ジャンパーピン有り
M2
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M1
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M0
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ステップ モード |
0
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0
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0
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71%の電流によるフル・ステップ(2相励磁) |
0
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0
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1
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1/2ステップ(1-2相励磁) |
0
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1
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0
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1/4ステップ(W1-2相励磁) |
0
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1
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1
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1/8ステップ(マイクロステップ) |
1
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0
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0
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1/16ステップ(マイクロステップ) |
1
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0
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1
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1/32ステップ(マイクロステップ) |
1
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1
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0
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1/32ステップ(マイクロステップ) |
1
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1
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1
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1/32ステップ(マイクロステップ) |
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4、ステッパーモーター接続
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ステッパーモーターの巻線端子の回路図上の名称や
接続ケーブルの色などに統一された規格はありません。
それぞれの仕様書および現物で確認してください。
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回路図上の巻線が左図の位置になるように接続してください。
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5、入力回路
信号名
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回路形式
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RESET
ABORT
HOLD
RESUME
LIMIT-X
LIMIT-Y
LIMIT-Z
PROBE
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入力部にはノイズフィルタが入り、さらに、74HC540の先はフォトカプラに繋がっており、
Grbl 「Wiring
Limit Switches」での説明の「BEST」の回路を構成しています。
そのため、機械式接点のマイクロスイッチを、そのまま接続しても安定して動作します。
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6、出力回路
信号名
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回路形式
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(SPINDLE)
DIR
PWM
COOLANT
AUX |
・TD62308の出力はオープンコレクタとなっており、出力電流の最大定格1. 5Aですが
余裕をみて、最大電流1. 2A以下でお使いください。また、 出力最大耐圧80Vです。
・TD62308Nの内部にはダイオードDがありますので、
(1)のように 内部の5V電源を利用してリレーなど誘導性負荷を接続する場合は問題は
ありませんが、
(2)のように外部電源(ext_V)から誘導性負荷を接続する場合は、逆起電力を吸収する
ダイオードD2を使用してください。
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7、5V電源回路
信号名
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回路形式
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5V
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GB-N内の5Vは、入力電源Vinからスイッチングレギュレータ(MINIMAX M78AR05-0.5)を
用いて生成しており、その最大出力電流は500mAです。
そして、GB-N内の制御のために、すでに約50mAを使用しています。
そのため、5Vに接続するセンサやリレーなど、全ての消費電流の合計は、少し余裕を見て
400mAを超えないようにしてください。
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8、Grbl Configuration 設定
(1) $4 : Step enable invert
DRV8825はLow to enableですが、GB-N内のフォトカプラー部で極性を反転させていますので、
Grbl のStepper enable 信号は、High to enable ( Active high )になります。
必ず、 $4=1 に変えてください。 初期値の$4=0
ではステッパーモーターは動きません。
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(2) $0 : Step pulse width
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GB-Nでは、左図のように、Arduino Nano とDRV8825
との間にフォトカプラーがあって、そのフォトカプラーから
出力される信号波形が鈍るため、その信号を74HC540で
整形していますが、整形後のDRV8825の入力信号Aの
ステップパルス幅t2は、元のArduino NANOから出力
される@のステップパルス幅t1よりも長くなります。
尚、t2のt1に対する立ち上がりの時間遅れtdは、
パルス幅に関わらず、常に約1.5μs(マイクロ秒)と
一定なので、加減速時のステップパルス立ち上がり
時間間隔への影響はありません。
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左図の赤線が上で説明した、@Grbl $0の設定値t1に
対するAGB-N内のステップパルス幅t2の関係です。
細い青線は、比較するためのt1=t2の線です。
横軸がArduino NANOが出力するステップパルス幅t1で、
GrblのConfiguration の$0の値で変更できます。
$0=3から$0=255まで設定できます。
縦軸がGB-N内で実際にDRV8825に入力される
ステップパルス幅t2です。
t2とt1の差は、t1が大きくなると徐々に大きくなりますが、
t1が20を超えると常にt2=(t1+40)usになります。
Grblのデフォルトの$0=10では、t2=40usです。
使用上に不都合が無ければ変更は不要です。
変更する場合は、左図のように変化するものである
ことをご承知ください。
尚、原因は分かりませんが、$0=130以上では、
t1が設定した値の通りになりませんので、
設定しないことをお勧めします。
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9、参考資料
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