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はじめに Grbl Sender CAD/CAM
 CNCを始める

 

1.G-codeファイルの自動作成
2.G-codeファイルの画面確認
3.コントローラーと加工機



1.G-codeファイルの自動作成
   G-codeをCNCコントローラに送信することによって、加工機を動かしますので、
   CNCを始めるときは先ずG-codeを学習するのですが、
   パソコンで動かすホビー用のCNCは、加工能力が小さいため、
   工具の高さを少しずつ変えながら何度も同じ動きを繰り返しますので、簡単なものでも行数は
   膨大になります。
   そして、人がその膨大な行数を、一行ずつ、全て間違いのないコードを書くのは現実的では
   ありません。加工を始める前に挫折してしまいます。

   そこで、 加工する形状をCADソフトで作成し、そのデータからG-codeのファイルを
   自動で出力するCAMソフトを用います。

   そして、これらのCAMソフトには、機械部品加工ではdxfやdwgファイルからG-codeファイルに
   変換したり、プリント基板加工ではガーバーファイルからG-codeファイルに変換したりなど、
   色々ありますので、先ずは、自分の目的に合ったCAMソフトを使えるようにします。

   このようにG-codeファイルがCAMソフトで自動で作成できれば、コントローラーに加工の
   座標原点を設定するときのG92コマンドだけを知っていれば、取り敢えずCNC加工を始める
   ことができます。


2.G-codeファイルの画面確認
   次に、上記で作成したG-codeファイルは、実際に加工する前に、PC画面上で形状や加工機の
   動きを確認します。

   それには、CNCコントローラーにG-codeデータを送信するSenderソフトを利用します。
   Grbl用のSenderソフトは次のように各種ありますが、
      https://github.com/gnea/grbl/wiki/Using-Grbl
   最初は、その中でも特にインストールと操作が簡単なCandleを利用します。
   Candleは、G-codeデータの送信機能だけで無く、G-codeファイルを読み込むと、
   加工予定の軌跡を3次元図形で表示し、エンドミルやレーザー光など工具の実行状況を
   表示します。
   さらに、画面内の工具はコマンドやJOGボタンなどを使って手動でも動かせますので、
   あたかも実際にCNC加工機を操作しているように感じられます。
   また、このソフトを使って、動きを目で確認しながら、G-codeコマンドを学習すれば、
   とても理解し易いです。

   しかし、Candleは、実際にGrblが書き込まれたArduinoがPCに接続されていませんと
   動作しませんので、次のように準備してから利用します。

     @ Arduino UnoまたはArduino Nanoを入手します。
       ( 最初は、この投資だけにしておきます。)
        尚、Arduinoにはブートローダーが書き込まれている必要があるので、
        トラブルを避けるため、中国製の互換品は避けて、できるだけ正規品を使います。
     A Xloaderを使って、Arduino にGrblを書き込みます。
        弊社のGrblのページを参考にしてください。
     B PCにCandleをインストールします。
        弊社のSenderのページのを参考にしてください。
     C PCとArduino とをUSBケーブルで接続します。
        電源はUSBから供給されます。
     D Candleを起動します。


3.コントローラーと加工機
   上記のように、G-codeファイルを作成することができ、Candle内で自在に動かせるようになれば、
   あとはコントローラーと加工機を入手するだけです。

   CNC加工機
にとって大切なことは次の2つです。
    ・ステッパーモーターが脱調しないこと。
    ・機械の剛性と精度が高いこと

  (1)ステッパーモーターが脱調しないこと
   パソコンで動かすCNCには加工機からの位置情報のフィードバックはありません。
   コントローラーが出力するパルスに対して、ステッパーモーターは脱調(lose steps)せずに、
   常に間違いなく正確に追従していることが前提です。
   加工中に一回でも脱調すれば、その加工は失敗品になるため、最初から作り直しです。
   そのため、次の点に考慮が必要です。
    ・ステッパーモーターは、内部抵抗が小さく、出力トルクの大きいものを使用します。
      モーターは発熱するとトルクが低下しますので、
      モーターの内部抵抗が小さいことやドライブ回路の安定性は重要です。
    ・加速、減速は緩やかに行い、加工速度は最高速度にせず、余裕を持って動かします。 

  (2)機械の剛性と精度が高いこと
   機械精度が高くないと、精度の高い部品は作れません。
   そのため、次の点に考慮が必要です。
    ・剛性
    ・直交座標精度
    ・送り精度

   市販のCNCには、断面が丸形状のガイド棒が2本と、リニアブッシュを各軸に用いたものが
   多くあります。
   しかし、体操の平行棒競技の様子をイメージして頂くと理解しやすいのですが、
   選手の体重が移動すると、2本の平行棒は容易に曲がることが見えます。
   それと同じで、平行した2本のガイド棒を移動ガイドにしたものは、剛性が高いように見えても、
   機械加工の精度で考えると大きく曲がるものですので、重いスピンドルモーターが移動したり、
   機械加工の場合は切削力によっても、ガイド棒は大きく曲がります。
   さらに、加工するスピンドルモーターは一番不安定な場所に取り付けられています。
   そのため、レーザー加工のようにヘッドが軽く、外力が小さいものは余り問題にならないかと思い
   ますが、機械部品の加工では、高精度の加工は困難です。
   できれば、アリ溝構造や剛性の高い平面に取り付けられたリニアブロック式のガイドが
   理想的です。
   また、各軸の移動は、ねじとナットによる送り機構が一般的ですが、
   可能で有れば、ねじとナットの間に遊びが無い、ボールねじが理想的です。

   弊社で扱っていコントローラーとプロクソンCNC化キットは、X軸とY軸の移動範囲が狭いとか
   送り機構がボールねじ式でないとか、 必ずしも理想的な構成ではありませんが、
   アマチュアがホビーとして使えるものとしては、価格的にバランスがとれたものだと思います。
   尚、価格には弊社の工賃が含まれていますので、弊社製品を参考にされて、
   ご自分で製作されれば、もっと安く入手できるものと思います。

 ・加工精度比較
   中国製CNC 3020T-DJプロクソン 27000+GM-1との加工精度の比較です。

   それぞれの機構は下記の通りです。
    ・ CNC 3020T-DJ : ボールリニアブッシュによるガイドとボールねじによる送り機構
    ・ プロクソン 27000+GM−1 : アリ溝によるガイド + ねじとナットによる送り機構

   また、加工条件は、厚み10mmのアルミ板A5052に直径6mmのエンドミルを使用して、
   送り速度200mm/min、Z方向0.3mmステップで直径38mm、深さ7mmの加工です。


   加工した結果は、下記の写真の通りです。
   CNC 3020T-DJの機構がボールリニアブッシュとボールねじ機構という仕様からは、
   いかにも精度が高いイメージですが、
   下記の写真のように、必ずしも高精度ではないことがお解り頂けると思います。


剛性が低いことと
スピンドルの保持が不安定な
ため、
内径部が綺麗な円弧に
加工できず、
且つ、寸法精度も悪い。






   
剛性が高いことで、
位置の再現性が良いので、
内径部が綺麗な円弧に
加工でき、
且つ、寸法精度が良い。