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4.動作説明

 4−1 操作方法
  操作方法は、単に電源釦を押すだけです。

  電源が入ると、このセンサーはそのときの状況に合わせて、
 次の3つのモードのどれかに自動的に切り換えて実行されます。

  @ホワイトバランス調整
  A「光の色」の測定
  B「表面の色」の測定

  まず、電源が入ると、PIC16C711はJP1を接続したポートを入力モードに
 して、JP1がショートされているか、オープンかをチェックします。

 ・JP1がショートされた場合は、照明用のLEDが強制的に点灯され、
  「ホワイトバランス調整」に移ります。

 ・JP1がオープンの場合は、このポートを出力にしてLEDを制御できる
  ようにして、次の「光の色の測定」になります。

  「光の色の測定」は、照明用の白色LEDを消灯した状態で行われます。
 ・光が検出されれば、そのままこの処理を続けます。
 ・光が検出され無ければ、白色LEDを点灯し、「表面の色の測定」
  に移ります。





 4−2 @ ホワイトバランス調整
 
  ホワイトバランス調整は、赤、緑、青と三つある色センサーの特性を一定
 に合わせて、内部のソフトが光量値を絶対値として扱えるようにするもので
 す。
  方法としては、基準の白色を検出部に当て、A/D変換器の入力電圧を
 VR1,VR2,VR3を調整して一定の値になるようにるのですが、せっかく音声
 装置を持っているのですから、音声を利用して、測定器を用いずにA/D
 変換した値が規格内に入ったことを調整できるようになっております。

  調整は、赤、緑、青の順番で、次のように行います。
 まず、赤色のレベルが規格より高いと「赤、明るい」と言いますので、
 VR1を回してレベルを下げます。反対にレベルが規格より下がると
 「赤、暗い」と言います。
 赤のレベルが規格内に入ると緑の調整に移ります。
 同様に、緑と青の調整が終わり、全ての色の値が規格内にはいると
 「白」と言うようになり調整が完了したことを知らせます。






 4−3 A光の色の測定
  このモードの場合は、次のようにして測定されます。

  ・照明用のLEDを点灯しません。

  ・電気製品の弱い表示ランプを検出するため、VrefをVdd/2として
   感度を「表面の色」の場合の2倍にします。
  ・測定は各色とも50回ずつ行いますが、蛍光灯やコンピュータ制御され
   ているランプなど、点滅している光に対応するため、最大値を用いて
   色を特定します。
  ・色の名前の前に「光」と言ってから色の名前を言います。
  ・光の色には、「濃い」「薄い」を付けません。
  ・8bitで計算しているため、3色の合計値が255を越えて計算不能に
   なるような 明るすぎる場合には、色の名前を言わずに、
   単に「光り、明るい」とだけ言います。


 4−4 B表面の色の測定
   このモードの場合は、殆ど「光の色」の測定と同じですが、
  次の点が異なります。


 ・照明用の白色LEDを点灯して、その反射光の測定を行います。
 ・VrefをVddとして、感度を下げます。
 ・測定は各色とも16回行い、その平均値を用いて色を決定します。
 ・色の明るさにより「濃い」「薄い」を付けます。
 ・反射する光量が少なく判断を間違いやすい、黒に近い色の場合は、
  「多分」と言ってから濃い色の名前を言います。



 4−5 色の決定
  フォトダイオードの出力は、トランジスタで増幅し、
 PIC16C711のA/D変換器を使って、赤、緑、青の光量を測定しますが、
 プログラムメモリは1kしかありませんので、この中に入るように
 しなければなりません。

  先ず、扱う数字の大きさですが、 
 赤、緑、青の光量は、@ホワイトバランス調整を行う「基準の白色」の
 ときに最大値となります。
  この時のそれぞれ値を80とし、3色の合計値を最大240にするように
 して、全て8bitで計算しております。
 3色の合計値が255を越えて計算不能になるような場合は次のように
 処理します。
 ・表面の色の場合は、「白」と言います。
   メタリック色の場合は、このようになりやすいです。
 ・光の色の場合には、色の名前を言わずに、単に「光り、明るい」とだけ
  言います。
   太陽光の場合にはこのようになりやすいですが、もともと電気製品の
  ランプの色を見るのが目的なので、割り切ってこのようにしております。
 
 次に、色の決定方法ですが、
  全ての数字の組み合わせのテーブルを持っていれば簡単ですが、
 とても1kの中に入りません。( 80 x 80 x 80 = 512,000 )
  そこで、光量の組み合わせの形を簡単なパターン認識することにより
 色を決定しております。
  また、赤、緑、青の合計値で明るさ(濃い、薄い)を判断するように
 しております。

  また、音声を録音しているICは、 27C256で 32kBytes しかありません
 ので、余り長い時間の記録ができません。
 そこで、一語を1秒間として「赤、茶、橙、黄、緑、青、紫、白、灰、黒」
 の10色と、「濃い」「薄い」、「多分」、「光」、「明るい」、「暗い」
 の16語が録音されております。
  因みに、この10色は電気製品で使用されている、カラーコードと同じ色
 です。




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