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3.構成

 3−1 回路構成
     回路全体は、
A/Dコンバーター付きのPIC16C711を中心にして、
    次のブロック図のようになっております。
     このセンサーでは、処理速度は余り高速である必要がないので、
    PIC16C711は、
音声録音IC(東芝 TC8830AF)と同じ、
    455kHzで動作させております。

    下図をクリックしてください。
     ブロック図の原寸画面に移動します。
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 3−2 電源

   小型化のために、電源は1.5Vの単四電池2本を使用しています。
  
電池の初期電圧は1本当たり1.5Vありますが、消耗してくると
  0.9V以下になります。
   PIC16C711は3〜6Vの電源が必要ですので
、回路全体はDC-DC
  コンバータの
MAX856で作られた5Vで動作させております。
   
ただし、MAX856は、全てを動作させるのに必要な電流に対して
  充分能力はあるのですが、スピーカーを鳴らす時には大きな電流が
  流れて、瞬間的に電圧が下がる場合があります。
  PIC16C711は電圧が瞬間的に少し下がった場合にリセットされて
  しまう場合がありますので、音声アンプ部だけはDC-DCコンバータを
  使用しないで電池で直接駆動しております。



 3−3 検出部


   光の検出部は、下図のようになっております。




 構造的な特徴としては、
  「表面の色」の測定をする場合は、検出部を被測定物に押し当てて行いますが、
外からの光を利用すると、光量が不安定で、その光の色の影響を受けます。
また、光があるかどうかは盲人にはわかりません。
  そこで、安定して測定できるように、外部の光を遮断して、内部光源の照明だけで
照明して、その反射光の強さを測ります。
 反射光は、検出部から光ファイバでフォトダイオードに導かれます。
光学系は同じものが3系統あって、それぞれのフォトダイオードの前には赤、緑、青の
異なった色フィルタが置かれ、光の3原色の光量が独立して測定できるようになって
おります。
 光ファイバは3本束ねられているので、厳密には採光する場所が異なるため
ファイバの端部から入る光はそれぞれ異なりますが、太さが直径0.5oと細くて、
しかも、近接しているためほぼ同じ光が入ると見なせます。

 照明する光が白色でない場合は、全ての色を知ることができません。
例えば、少し黄みがかった白熱ランプを使用した場合は、白と黄色の区別は困難と
なります。
 そこで、この照明に使用しているLEDは、日亜化学工業製の高輝度白色LEDを
使用しております。
 また、検出部の前面には保護ガラスがありますが、白色LEDの光が保護ガラスの
表面で反射した光が直接に光ファイバに入らないように、光ファイバの先端を
保護ガラスに当てると同時に、保護ガラスの角度を約10度傾かせています。



 3−4 音声部
 
 PIC16C711は、反射した赤、緑、青の光の強さから何色かを決定しますが、
次に、その決定された色の名前を、音声録音IC(東芝 TC8830AF)を制御して、
スピーカーから発声させます。

 この音声録音IC(東芝 TC8830AF)は、ROM(27C256)内の任意のアドレスの
区間を再生できますので、PIC16C711は開始アドレスと終了アドレスを指定して
所定の言葉を発声させます。
 言葉の数は、10色の名前と「濃い」「薄い」などが各1秒ずつ、16語記録されて
おります。

  スピーカーを鳴らすアンプは新日本無線(株)製のNJM2073Dを使用しております。
このICは電池2本で直接駆動しておりますが、このICの動作電源範囲は1.8〜15V
であるなため、電池が消耗して1本当たり0.9Vになるまで使用可能です。
 因みに、DC-DCコンバーター(MAX856)は、0.8Vまで電圧が下がっても5Vを安定して
出力できるため、スピーカーから音が出なくなったところが電池の寿命となります。




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